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事例

■ウェルリンク株式会社 お客様に聞く─千葉県・流山市役所

写真は左から、現・健康増進係 中川貴弘氏、前・健康増進係 井戸一郎氏、健康増進係長 渡辺雅史氏。

1050人の職員を抱える流山市役所では、2006年にウェルリンクのサービスを導入し、職場のメンタルヘルス施策プログラムを向上させてきました。その過程について、人材育成課健康増進係長の渡辺雅史氏、施策プログラムの構築に一貫して携わってきた前・人材育成課 健康増進係の井戸一郎氏(2010年4月に総合政策部 企画政策課に異動)、新・健康増進係の中川貴弘氏にくわしく伺いました。

もくじ
  1. 流山市役所・健康増進係の仕事について
  2. 流山市役所は、ウェルリンクをどう活用しているか
  3. 流山市役所がメンタルヘルス対策ではじめに目指したこと
  4. 5社の中からウェルリンクを選んだ理由
  5. 「毎年『Self』を実施することは、定点観測としての意味合いがあります」
  6. 受け皿としての相談カウンセリング
  7. 研修プログラムは、実情に即して年々ステップアップさせたい
  8. ウェルリンクへの評価
  9. 不安や懸念、要望があれば、なんでも相談を
  10. ウェルリンクへの今後の期待


■ 流山市役所・健康増進係の仕事について

─流山市と、流山市役所人材育成課・健康増進係の仕事について教えてください。

流山市は、千葉県北西部に位置する、人口約16万人の自治体です。2005年の「つくばエクスプレス」開業以降、都心まで20分でアクセスできるようになり、その後、人口も急増しています。

流山市役所の市職員数は約1050人。人材育成課・健康増進係は、全職員の健康増進と安全向上のための施策を担当しています。「人材育成課・健康増進係」は、以前は「人事課・厚生係」という名称でした。2006年、現在の名称に改め、健康増進係は市職員のメンタルヘルス向上に向けて、取り組みを強化することになりました。同年、その取り組みの要として、ウェルリンクの「Self」を導入しました。


■ 流山市役所は、ウェルリンクをどう活用しているか

─流山市役所では、ウェルリンクのサービスをどのように活用されていますか。

出先機関も含めた全職員に対して「Self」を実施しています。実施状況は次のとおりです。

●表1 「Self」実施状況 (全職員対象)
 
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
対象者
1,074名
1,070名
1,070名
1,045名

     *「Self」実施対象の市職員所属先
・流山市役所本庁・出張所
・流山市保健センター
・流山市クリーンセンター
・流山市水道局
・流山市消防本部
・流山市教育委員会
・児童施設:流山市児童館・児童センター
・文化施設:図書・博物館/公民館
・福祉施設:ケアセンター/老人福祉センター/各福祉会館/身体障害者福祉センター/つばさ学園/障害者就労支援センター


また、メンタルチェックを要に、各種サービスを組み合わせてメンタルヘルスプログラムを組んでいます。運用したサービスは、以下のとおりです。

●表2 運用サービスの内容

*2009年度 
 テーマ選択型研修(一般職向け研修)のテーマ
 ・メンタルヘルスの基礎  
 ・ストレス解消法
 ・コミュニケーションスキルアップ       
 ・性格傾向を知る


■ 流山市役所がメンタルヘルス対策ではじめに目指したこと

─流山市役所が、EAPを導入してメンタルヘルス対策に取り組み始めた経緯を教えてください。

近年、ほかの多くの自治体と同様、流山市役所でも定員適正化により職員数が制限されてきました。人手が限られるなか、行政サービスの質・量拡充を目指すと、業務は繁忙の度を増すようになりました。また、いったんメンタル不調者が出ると周囲にも影響が及ぶため、メンタル不調が出る前の予防が大事と考え、メンタルヘルス対策を強化することにしました。

対策の強化にあたり、はじめに「職員自身のセルフケア」と「管理監督者によるラインケア」に力を入れて取り組みたいと考え、実施に必要な企業EAPの導入を決めました。

─「職員のセルフケア」と「管理監督者のラインケア」に、なぜ重点を置かれたのか、お聞かせください。

「職員のセルフケア」について。
まずは、職員一人ひとりが自分の抱えているストレスに気づいてもらうことが大事であると考えました。それには、自身を客観的にみることができるメンタルチェックが有効と考えました。
また、気づいたストレスはそのままにしておかず、対処していくことが望まれます。そこで、ストレスへの対処を支援するために、相談体制の充実が重要だと考えました。
と同時に、メンタルヘルスへの認識を高めるための教育研修も必要であると考えました。

「管理監督者によるラインケア」について。
管理監督者は、メンタルヘルス対策においても組織の問題解決を図るキーパーソンです。職場の管理職が核とならなければ解決できないことも多いので、管理監督者向けの研修に力を入れる必要があると考えました。

これらの課題に応えられるEAPを探し、5社を比較検討しました。その結果、ウェルリンクのサービスを導入することに決めました。


■ 5社の中からウェルリンクを選んだ理由

─5社を比較検討した時の要件をお聞かせください。

選定において重視したのは、次の4点です。

1.EAPを包括的に提供できること
2.費用とサービス総体のバランス
3.運用体制への信頼性
4.他団体への導入実績


1.EAPを包括的に利用できること
流山市役所では、単にメンタルチェックを行うだけではなく、チェックを要とした包括的なメンタルヘルス対策の構築を目指していました。そのため、メンタルチェック自体の品質もさることながら、相談・カウンセリング、診断・分析、教育・研修等のバックアップ体制の総合力を重視しました。

2.費用とサービス総体とのバランス
包括的なメンタルヘルス対策を、当然、予算内で実現する必要がありました。
しかし、各社ともメンタルチェック以外はオプションとして扱うものが多く、予算的には厳しくなりました。ウェルリンクは標準サービスの段階で十分にまとまっており、限られた予算のなかでも満足のいくサービス内容を盛り込むことができました。

3.運用体制への信頼性
メンタルチェックは、たいへんデリケートな個人情報になります。そのため、サービス提供者のプライバシーマーク取得は必須でした。

4.導入実績
他団体や企業への導入実績が豊富であることが望ましいと考えました。

以上のような理由で、ウェルリンクのサービスを導入することに決定しました。


■ 「毎年『Self』を実施することには、定点観測としての意味合いがあります」

─実際に運用されたサービスは、年々、内容に少しずつ変化が見られます(表2)。
2007年度に一度「Selfライト」(60問)に変更されてから、翌年には「Selfスタンダード」(189問)に戻されています。これは、どのような理由からでしょうか。


「スタンダード」のほうがコストはかかります。しかし、実際に両方を実施してみて、診断項目が職場での健康度に限られる「ライト」よりも、社会面や生活面などの健康度を総合的にみていく「スタンダード」のほうが、より効果的なフィードバックを職員に返せると実感したからです。

また、毎年「Self」を実施することには、定点観測としての意味合いがあります。体の健康診断で1年に一度、体の健康度をみるのと同じく、メンタルチェックを1年に一度行うことで、こころの健康度を見直すことができます。そのためには、毎年、同じ方法でチェックし続けるのが望ましいと考えました。
自治体の予算は、前年度実績以上にとれないのが一般的です。しかし、トップの理解もあり予算を繰り合わせてもらうことができ、なんとか「スタンダード」に戻すことができました。


■ 受け皿としての相談カウンセリング

──2008年度から、新たに「訪問カウンセリング」を導入した目的をお聞かせください。

訪問カウンセリングはプライバシーが保たれる部屋で行われる。
「訪問カウンセリング」の導入は、相談体制を充実する一環として行いました。

「Self」の中にも、電話やメールでの相談や、近隣の提携クリニックを案内してもらえるなど、相談体制はあります。
しかし、これらに加えて、事業所内により身近に相談できる場を設けたいと考えました。というのも、就業時間内に気軽にカウンセラーと面談できる場をつくることで、すぐに相談できる体制を作りたかったのです。

一度、「訪問カウンセリング」で相談を受けた人にはリピーターとなる人も多く、また新規の相談者も増えています。
現在、「訪問カウンセリング」は隔月1回の開催ですが、希望者が多く、予約待ちが出る盛況ぶりです。将来的にはニーズに応えるべく、毎月開催にしていく予定です。カウンセリングをオープンに受けられるような職場風土を、このまま育てていけたらと考えています。


■ 研修プログラムは、実情に即して年々ステップアップさせたい

「毎年、実情に即して研修をステップアップさせていくことができたのは、非常にありがたいですね」(渡辺氏)
──管理監督者向けの研修は、年々プログラムが変わっています。このことについて、詳しくお聞かせください。

研修は毎年、同じ内容にするのではなく、その年度、年度で、状況に合った適切な組み立てにしていきたいと考えています。私たちのこの希望に、ウェルリンクはレスポンスよく応えてくれました。
研修を企画するにあたっては、「Self」の全体集計の結果を見ながらウェルリンクの臨床心理士とよく話し合い、研修内容と方法を少しずつ変えていきました。

初年度は、「ラインケアの基礎知識」を座学で学ぶところから始めました。翌年の2007年度は、座学からグループワーク形式に変更しました。2008年度はグループワークのメンバーを部署ごとの部課長で編成し、メンタルチェックの組織集計をもとにグループワークを行う形式にしました。これにより、現場の課題にいっそう即したテーマで研修を実施できるようになりました。
さらに2009年度からは、各部署ごとの部課長グループに対して講師が一人つき、直接コンサルテーションを受ける形式とし、その部署における課題について討議を重ねて具体策を出すところまで持っていけるようになりました。

─研修プログラムを実施した効果を教えてください。 

研修を実施する以前は、メンタルヘルス自体への認識が薄く、たとえば職場内にメンタル面で不調を来す人が出ても、“個人の問題"ととらえられる傾向がありました。しかし、この4、5年で、メンタル不調者の発生は、管理監督者が扱うマネジメントのひとつだという認識に変わっています。現在、管理監督者のラインケアへの意識は非常に高く、ちょっと疲れていそうな部下にはカウンセリングを勧めるなど、積極的に声をかけてフォローする管理者も増えています。

また、副次効果もありました。研修で、部署ごとの部課長が集まって話し合うグループワークを実施して以来、同じような形式で話し合う様子が、日常業務の中でもしばしば見かけられるようになりました。これにより部内各課の風通しがよくなり、部内の課題を共有する一助ともなっているようです。

─ 一般職員向けの研修についても、お聞かせください。

一般職員対象のセルフケアの基礎研修についても、形式を変えています。ひと通り、基礎研修の受講が全職員に行き渡った2009年度からは、4つのテーマから選択して任意受講するという仕組みに変えました。
受講者に実施したアンケートもおおむね好評で、複数のテーマを受講する人が出るなど、結果は上々です。


■ ウェルリンクへの評価

─実際にウェルリンクのサービスを、5年間、利用されたうえでの評価をお聞かせください。

「いかに気持ちよく働いてもらえるか、その環境づくりをするのが私たちの仕事です。提案力の高いウェルリンクには、たいへん助けられました」(井戸氏)
ウェルリンクからの提案は、次の3つの点でたいへん優れていました。

1.提案の根拠
メンタルチェックの詳細な分析結果をもとに、流山市役所では今、どのようなことが必要か、実情に沿った提案をいただけました。

2.柔軟な対応
出来合いのプログラムを一方的に押しつけるのではなく、こちらの要望に即して、柔軟かつ真摯に対応していただけました。

3.専門的観点
コンサルティングを行っていただいている臨床心理士の方からは、メンタルヘルス対策を考える上で、専門家の視点から、きめ細かなアドバイスをいただきました。

職員がメンタル不調に陥るのを未然に防ぐために、整えるべきところは整えておくのが私たちの仕事です。ウェルリンクの提案力には、たいへん助けられました。


■ 不安や懸念、要望があれば、なんでも相談を

─これからウェルリンクのサービスを利用しようと考えている自治体に、アドバイスがありましたらお願いします。

先ほどもお話したように、こちらの要望にウェルリンクは真摯に応えてくれます。不安や懸念、要望があれば、なんでも相談してみてはいかがでしょうか。

実は流山市役所で「Self」を導入する前、いったいどのくらいの回答があるのか、実施側として不安を抱いていました。フタを開けてみると、毎年、90%以上の高回答率です。

ひとつには、実施のタイミングがよかったことが挙げられます。
タイミングについては、定期健康診断と時期を合わせて実施することにしました。これはウェルリンクの担当者から「体の健康診断と同じようなイメージで、より抵抗感なく受けてもらえる」というアドバイスを受けて決めたものです。
現在では、「心とからだのケア」は相補的に行うものと認識する一つの機会となっており、体の健康診断と時期を合わせたことは非常に有効だったと感じています。


■ ウェルリンクへの今後の期待

─ウェルリンクへの今後の期待をお聞かせください。

これまで5年間、メンタルヘルスへの取り組みをともに築き上げてきました。さらなるステップアップを目指していきますので、今後ともご協力よろしくお願いいたします。


お忙しい中、有り難うございました。

※ 流山市役所のWebサイト
※ 取材日時 2010年5月
※ 取材制作: カスタマワイズ