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事例

■ ウェルリンク株式会社 お客様に聞く - アップクロス株式会社 (ソフトウエア開発会社)



アップクロス代表 代表取締役 北澤淳一氏に、ウェルリンクのメンタルチェックを受けての印象と評価について詳しく聞きました。
もくじ 
  1. 社員全員にメンタルチェックを行う
  2. 前職で、うつに苦しむ人を多く見た
  3. うつの人は、外見上どう見えるか
  4. うつの人が、怠けているように見える本当の理由
  5. アップクロスの労働強度
  6. メンタルチェックは「はじめの一歩」として最適に思えた。
  7. メンタルチェック実施の一連の流れ
  8. 組織分析報告への感想
  9. 社員に対し、メンタルヘルスの取り組みへのコミットメントができた
  10.  カンタン、分かりやすい、深い ~ ウェルリンクへの評価
  11.  メンタル状況の見える化が重要
  12.  今後の期待 

 


アップクロスについて
東京都のソフトウエア会社。広告代理店向けシステム、プロジェクト型ERPパッケージソフトウエアを制作している。主な顧客は広告代理店。社員数は12名。


■ 社員全員にメンタルチェックを行う

― アップクロスでは、ウェルリンクのサービスをどう使っていますか。

今年7月に、社長の私を含む社員12人全員で、メンタルチェック『Self』を受けました。その後、メンタルチェックの結果に基づく組織分析をしていただきました。


アップクロスの業務風景
― 12人がワンフロアで働いている会社なら、わざわざメンタルチェックを行わなくても、社員のメンタル状況は、見ていれば何となく分かるのでは。

その考え方にも一理あります。しかし、私は前職の経験を通じて、社員の本当のメンタル状況は、見ているだけでは、結局、分からないという結論に達したので、今回メンタルチェックを行いました。

■ 前職で、うつに苦しむ人を多く見た

― 前職でどんな経験があったのですか。

アップクロスを創業する前に、私はある会社に管理職として勤めていました。100人ほどの会社でしたが、約1割がうつや、不調者というときがありました。激務の部署だけでなく、通常の部署の人も同様でした。なぜ1割も不調になるのか、原因は不明でしたが、激務だけが理由ではなかったようです。

その会社で「実際のうつの人」を多く見た経験を通じ、「うつってホントにあるんだ」、「人ってうつになってしまうものなんだ」、「それは見た目だけでは分からないんだ」ということが知識ではなく、実感として理解できました。

■ うつの人は、外見上どう見えるか

― 北沢様の前職での経験について、さらに詳しくお伺いさせてください。最初の質問です。鬱の人は外見上はどう見えるのですか。

外見上は、覇気がない様子ですが、かといって業務に支障が出るほど、どっぷり暗いということもありません。ただし「うつ気味」を通り越して、「本当のうつ」になってしまうと、その人は、休職するなどして会社に来なくなります。

― ウェルリンクに質問です。今の北澤さんの話についていかがですか。

北澤様が以前いらした会社は、重いうつの人が本当に多かったのだなという印象です。そもそもうつが進むと、本人がいくらやる気があっても、体がついてこなくなります。本当に、朝、起きることが苦痛になり、ゴハンも食べられなくなります。これはセロトニンという、意欲を司る脳内物質の分泌が妨げられることが、原因のひとつと考えられています。単なる気の持ち方や、気力・精神力の問題ではないのです。

 うつの人は、欠勤が多くなります。うつの人の場合、いくら何でも多すぎだろと思えるほど、休む頻度が高くなります。

■ うつの人が、怠けているように見える本当の理由

― 欠勤の時にはどんな理由で休むのですか。

ほとんどの場合、何らかの病気を理由に休みますが、場合によってはもっとストレートに、「朝、起きられません」、「だるくて会社に行けません」、「とにかくしんどくて」など、怠け病のような理由を云って休むこともありました。


今の話について解説します。先にも述べた通りうつ病であった場合、日常の行動ひとつひとつが、つらかったり、苦痛であったりします。つまり「朝起きられません」、「だるくて会社にいけません」、「しんどい」というのは本人にとっては真実であり切実な話です。その一方で「怠け病と見分けがつかない」という印象も決して間違ってはいません。同じ体の異常である、骨折や、かぜを引いたときの咳やくしゃみと違って、外から一見して判断できる特徴がありません。学問的にもそのメカニズムについて、正解が得られていないぐらいですから、自分が知っている「怠け」の状態と似ていれば、怠けているように見えるはずです。         

出勤してくる人の場合でも、外見上はいつもと同じなのに、会話の運びが微妙にヘンで、話がまとめられないような印象の人もいました。


 今、おしゃったようなことも、欠勤と違い目立たず見過ごしがちですが重要な観点ですので一言。
専門家でない方は、『これは~病である』といったような判断は下せません。ですから、就業し業務を遂行する上で支障となっている、具体的な事柄を確認してください。こうした事柄を事例性といいますが、今、おっしゃったようなことなどまさに事例性です。まず、事例性を確認いただき、それが見過ごせないレベルであれば、それをもって、本人と面談するなどしかるべき対応に望んでください。

■ アップクロスの労働強度

― 次に、アップクロスでのメンタル状況について詳しく聞いていきたいと思います。まず率直にお聞きします。アップクロスは、激務ですか?

その質問は「アップクロスはソフトウエア会社にありがちな超激務、長時間労働の会社ではないか。だからメンタル不調者が出やすく、だからメンタルチェックを行ったのではないか」という趣旨で聞いているのだと推測します。その質問に経営者の私が説得力ある回答を返すのは難しいのですが、あえてお答えいたしますと、アップクロスの一日の平均労働時間は10時間程度、残業はほどほど、受託開発ではなく、パッケージソフトウエア制作なので、顧客都合による仕様変更や納期プレッシャーもあまりありません。労働強度は普通だと思います。

ただし社員の生活時間帯が不規則であることは前から感じていました。技術者という職業柄なのか、会社ではプログラミング、家でもゲームやインターネットなどパソコン漬けの毎日で、運動不足、食事の偏り、夜更かしなどの傾向があるようです。社員のプライベートにあまり口出しもできませんが、いわゆる「規則正しい健康的な生活」ではないようで、少々、心配です。

夜更かし生活はメンタルヘルス的にもよくありません。人間には体内時計というものがあって、それが体のリズムを司っています。朝日を浴びることで時計がリセットされますが、不規則な生活リズムか続くと体内時計がずれていって、睡眠障害などを引き起こすといわれています。

人生の中で、仕事に使う時間、会社にいる時間は、かなり長時間です。世の中に会社がいろいろある中で、縁あって、このアップクロスに来てくれた社員には、クサい言い方かもしれないですけど、やっぱり幸せになってほしいし、そのためには、できるだけのことはやりたい。もしメンタルで問題を抱えている社員がいるなら、そのことを知り、それをケアできる会社でありたいと思うのです。

またソフトウエア会社の場合、製品は「社員の頭脳」が作り出す業態であり、文字通り、人がすべての業態です。単純化していえば、社員がメンタル不調に陥って、頭脳の働きが鈍くなることは、会社の商品生産力が減退することを意味します。また大事な時期にメンタル不調で休職者が出たのでは、品質や納期にも悪影響が生じます。社員のメンタルを適切に維持することは、顧客サービスのレベルを保ち、会社として売り上げを確保するためにも、重要な施策であると考えます。

以上のような考えに基づき、今年は社員のメンタルヘルスや健康診断を強化しようと心に決め、方法を模索していたある日、知人を通じて、ウェルリンクを知り、、まずは説明を受けてみようと思った次第です。

■ メンタルチェックは「はじめの一歩」として最適に思えた。

― ウェルリンクの説明を受けての印象はいかがでしたか。

社員のメンタルケアに本格的に取り組むなら、「はじめの一歩」、「最初にやるべきこと」としてとても良いプログラムだという印象を持ちました。

― 「『はじめの一歩』としてとても良い」とは具体的には。

何事も「まず現状を認識すること」が重要だと考えています。社内のメンタルヘルス対策においても、「社内にメンタル面での潜在的リスクはあるのかないのか」、「リスクがあるのなら、それは社内のどこに、どれほどあるのか」」、「性別、年齢別での社員のメンタル傾向は」などの情報を知らずに、施策を行っても意味は薄いと考えました。その意味で、最初にメンタル「チェック」を行って、現状を知ることは適切なやり方だと考えたのです。

ウェルリンクのサービス説明は納得のいくものでした。また価格もリーズナブルだったので、サービスの申し込みを決めました。2010年5月のことです。

 

実際のメンタルチェック実行の流れを写真で再現いたしました。くわしくはこちら


メンタルチェック終了後に、ウェルリンクの担当者から組織分析の結果報告を受けました。

■ 組織分析報告への感想

― 組織分析報告を受けての第一印象はいかがでしたか。

組織分析報告を通じて、自分の仮説を裏付けることができたのは大きな収穫でした。社員のメンタル状況については、30代以上の中堅社員はこんなかんじ、20代の若手社員はこんなかんじだろうと、自分で予測していましたが、その予想は概ね当たっていました。

全体のメンタル状況については、必ずしも良好といえない結果でしたが、ウェルリンクの説明によれば、「全体が均等に悪いのではなく、少数の不調者の得点が、全体の平均を押し下げている。今回はチェック対象者が12名なので、一人が悪ければ、平均点はカンタンに下がる」とのことでした。

  

※ 組織分析報告においては、ウェルリンクは、「全体の傾向」だけを説明します。個別のメンタルチェック結果など『不調者が特定できる情報』は、たとえメンタルチェックの依頼者(今回の場合は北澤社長、通常は人事担当者)であっても教えません。


■ 社員に対し、メンタルヘルスの取り組みへのコミットメントができた

― 北澤社長にとっての「今回、メンタルチェックを実施して良かったと思える点」を教えてください。

今回、メンタルチェックを実施して良かったと思える点は、第一に「社員に対し、アップクロスはこれからメンタルケアを行っていくのだという意思表示ができたこと(社員へのコミットメント)」、第二に「これまで分かっているつもりで実は分かっていなかった社員のメンタル状況を理解できたこと(実態把握)」、第三に「社内に潜むメンタルリスクを意識することで、今後、会社を成長させていく上での注意点について認識ができたこと(認識変革)」の三点です。

■ カンタン、分かりやすい、深い ~ ウェルリンクへの評価

― ウェルリンクのサービスへの評価をお聞かせください。

ウェルリンクのサービスは、第一に「実行がカンタン」でした。担当の方からは、要所で的確なサポートがあったので、メンタルチェックの実施において負担感はありませんでした。第二に「レポートが分かりやすい」ことも良い点でした。レポートは、分かりやすさを高める工夫が随所にこらされており、社内のメンタル状況が、つまりマルなのかバツなのかサンカクなのかが、一目で分かりました。第三に「質問への回答が的確なこと」も高く評価しています。先に述べた「レポートのわかりやすさ」には、「複雑微妙な現実を単純化しすぎる」という危険もあります。そうした微妙な部分については、報告会の際に担当者に逐一質問しましたが、どんな質問にも根拠のある回答を得ることができました。

■ メンタル状況の見える化が重要

― これからメンタルケアに力を入れようと考えている、同規模のソフトウエア会社にアドバイスがあればお願いします。

アドバイスというほどでもなく、私見として。
前述したとおり、ソフトウエア会社では、技術者が最大の経営資源ですから、技術者のメンタル管理は重要な経営課題だと考えます。一方、技術者は概して自己表現が不得手な人が多く、メンタルの問題が表面に露出せず潜在化しがちな傾向があります。技術者のスキルは外から見えますが、メンタル状況は見えません。

そのメンタル状況を「見える化」するために、今回のメンタルチェックを行い、現状把握を試みました。こうした現状把握の取り組みは、それにより、「見たくない現実」を見せつけられることもありえます。それでもメンタルチェックによる現状把握は、社内のメンタル管理のための重要な第一歩であると個人的には考えます。他社さんにもお勧めしたい施策です。

■ 今後の期待

― ウェルリンクへの今後の期待をお願いします。

今回、縁あって、ウェルリンクと知り合い、社内メンタルチェックを実施するに至りました。社長の私としてはやって良かったですし、社員にもおそらくは好評だったろうと予測します。アップクロスは、これからも社員と会社が健全に成長できる「良い会社」となるべく、メンタルヘルスに力を注いでいきます。今後とも宜しくお願いします。

■ 社員の視点から見た、今回のメンタルチェック

北澤社長へのインタビューの後、社長には席を外してもらい、社員の皆様に今回のメンタルチェックについての感想を聞きました。
― 最初に、社長から「メンタルチェックをやります」という内示がメールで届いたとき、どんな印象でしたか。

おもしろそうだなと思いました。自分ではわからない、自分の内面が分かりそうで。


そういう内面探求みたいなの、流行りなんでしょうか。私も少し興味が湧きました。


― 実際にメンタルチェックシートに記入してみた時の印象はいかがでしたか。

就職活動の時のSPIを思い出しました。


ズカッと踏み込んでくる質問、本質的な質問が多く、回答のしがいがありました。


― 自分のメンタル診断結果を見たときは、どう思いましたか。

私は、ストレスぜんぜんなしとの診断でした。従順度が低く、人の云うことを聞かない性格なんだそうで。

想像とは違う自分が見えました。私は、従順度は割合に高く、そのぶん内面にはストレスがあるという結果でした。

私の結果は、可もなく不可もなくの普通の結果でした。なんだオレって普通の性格なんだなと、少しがっかりしました。

― 診断結果を見て、当たってると思えましたか。

当たってたんじゃないですかね。


― 「あなたは明るそうに見えて、寂しがり屋の一面があります」といった、誰が読んでも「これってオレのことだ」と思えるようなことが書いてあったのでは。

いや、そういう安易な表現じゃなかったですね。



いちおう説明しておきますと、診断結果の文章は、診断コメントのマスターデータを組み合わせて作りますが、組み合わせは2京(※)とおり以上あるので、そうそう平凡なコメントになることはありません。
※ 「京(けい)」とは兆の次の数字の単位です。

― やっぱり技術者というのは、ストレスが溜まりやすい仕事ですか。

良い仕事をしようと思うなら、自分の世界に深く入り込まないといけないので、一つ間違うと闇の世界にはまる可能性もあるかも。

ボクは休日は競馬でストレス発散です。


― 今回のメンタルチェック、総合的な感想としていかがでしたか。

Webじゃなくて紙だったのが良かった。机に向かって紙に記入した方が、自己に向かい合って、きちんと記入できます。

たしかに。Webでチェックボックスに記入するようなやり方だと、惰性で安易に記入しそうな気がします。

めんどくさくなくてよかったです。仕事のじゃまにもならなかったし、おもしろい経験でした。


― いろいろと忌憚のないお話をありがとうございました。


※ 参考情報。写真でわかる、メンタルチェック実施の流れ

ここではアップクロスにおけるメンタルチェック実施の流れを「説明会 → 検査実施 → 組織分析の報告」の順に、写真を交えてご説明いたします。今回は、アップクロス様のご協力をいただき、実際の説明会の写真を撮影させていただきました。また検査結果の手渡し風景なども後日、模擬的に撮影させていただきました。
1. 事前説明

ウェルリンク担当者から、お客様に向けてSelfのサービス内容、メンタルチェック実施の流れ、回答者のプライバシー保護についての説明を行います。

 
2. 社員向け実施説明会(2010年6月18日)

その後、メールによる内示の後、社員全員を集めて、説明会を開催しました。説明者は、ウェルリンク社員と北澤社長にて行いました(北澤社長がメイン。ウェルリンク担当者はサブ)

「ここは、ウェルリンクまかせではなく私が主役になって説明しなければいけないと考えました。アップクロスはこれから、会社としてヘルスケアに取り組んでいくんだという意思表示、コミットメントをする必要があったからです。実施責任者である私が自ら説明しない限り、真剣さが社員に伝わりません」


 
3. 説明会の直後にチェックシートを全員に手渡す

説明会の後、すぐ記入し始める社員もいれば、家に持ち帰ってじっくり回答する社員もいます。回答所要時間は15分~20分程度です。

さっそく記入

社長も記入します
 

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そして二週間後…
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4. 各社員のチェック結果の受け取り

ウェルリンクからメンタルチェック実施責任者(今回は北澤社長)に、各社員のチェック結果が送付されます(もちろん社長が封筒の中を見ることはできません)。

 
5. 各社員にチェック結果を手渡す

メンタルチェックの結果は、封筒のまま各社員に手渡されます。











※ 封筒の中には「ご家族の方へ」という案内も同封されています。ご家族の方がメンタルヘルスについての相談をしたい場合の、電話相談の案内が記載されています(この案内を家族に渡すかどうかは、各社員の自己判断に任されています)



 
5. 組織分析結果の報告

後日、ウェルリンクの担当者から、社内のメンタル状況の総合的な分析結果が報告されます(全体的な傾向のみ報告いたします。各社員の個々人の情報には、いっさい言及いたしません)
 


北澤様、および社員の皆様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

※ アップクロス株式会社のホームページ
※ 取材日時 2010年7月
※ 取材制作:カスタマワイズ