2018年7月13日

人事コラム

第5回「変化に適応する力をつけていく」

変化の激しい現代におけるキャリア形成

新しい技術やサービスが次々と誕生していく現代、時代が急速に変化しているなかで、将来に漠然とした不安を抱えている人が増えています。特にAI(人工知能)の登場により、従来、人が担ってきた仕事がAIに取って代わられる可能性が出てきました。10年後には「702もの職業が必要なくなる」という研究結果もあるそうです。
今まで一生懸命目標に向かって頑張ってきたのに、ある日突然まったく別の職務に変わらなければならない、別の部署に異動しなければならない、そんな転機が起こるかもしれないのです。そのような時代の中で、自分自身が納得のできるキャリアを築いて、豊かな人生を歩むための一つの鍵は「積極的に変化に適応していく力」を身につけていくことです。

将来について考えておくことで準備をしておこう

キャリア理論に「キャリア・アダプタビリティ」という考え方があります。アダプタビリティとは適応できる、順応できるという意味です。キャリアを切り拓いていくためには、変化する役割に直面したときに、その変化を受け入れて、適応できる能力が必要です。適応というと「周りに合わせて自分を変える」という受け身な印象を持たれるかもしれません。そうではなく、どちらかというと変化の激しい時代に積極的にチャレンジしていくことが必要だと思うのです。
様々な環境の中で、職場からの期待に対処するだけでなく、予測できない転機やそれに伴うストレスへの対処行動を可能にする、態度や能力をあらかじめ向上させておきましょう。自らの可能性を拡大させながら「なりたい自分になる」ための準備をしておくことが大切です。

変化に適応する力をつけるためには

受動的に環境を受け入れるだけではなく、積極的に変化に適応して自分の可能性を広げるためには次の4つが大事になります。
Concern(関心)自分の将来に対して関心をもってどのような選択肢があるか考えてみる
Control(統制)将来に関しての選択肢の中から自分で決めていく、自分でコントロールしていく
Curiosity(好奇心)自分の将来をどうしたいのか、自分の可能性を探求していく
Confidence(自信)たぶんできるだろうと自分の実現性を信じる気持ちを強める
たとえば、「AI化に備えて、現状業務を洗い出し、AI化できる部分とそうでない部分を切り分け、空いた時間でより付加価値をつけていくために、どんなスキルを身につけたいかを考えて、必要があればトレーニングを受けられるように上司に相談していく」、そのようなアクションを起こすことです。

自己肯定感を高めておく

上記の4つの中でも、「自分の実現性に自信を強める」は、今までの経験を肯定的に捉えることからはじまります。経験を人に話をすることで、さらに客観的に自分の経験と向きあえます。無駄な経験などないのです。今まで積み重ねてきた経験を肯定的に捉えなおしておくことで、これからの課題に対しても「きっと大丈夫、たぶんできる」と思えるのです。まず自分の経験を書きだして整理してみることからはじめてみましょう。人の可能性は無限大です。積極的に行動おこすことで、変化の激しい時代でも、より豊かなキャリアを築いていけるのです。

石川邦子(いしかわ・くにこ)
Natural Will代表。 キャリアコンサルタント、シニア産業カウンセラー、1級キャリアコンサルティング技能士、 メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種、英国IFA認定アロマセラピスト。 著書に『ダメな上司は耳で聞く』(現代書林)、『自分らしく生きる! 40代からはじめるキャリアのつくり方』(方丈社)がある。