2022/9/29
私たち人類の歴史のほとんどは狩猟採集をして暮らしていました*。
人類は700万年前に生まれ、農耕生活は1万年前、産業革命による工業化が400年程前、PCが普及して情報化時代が40年程前に始まりました。
人類の歴史を1年に換算すると、農耕時代は大晦日の大掃除をしている正午頃に始まり、工業化時代は紅白歌合戦の終わる11時半頃に始まり、情報化時代は除夜の鐘が聞こえる12時57分頃に始まったのです。
しかし、私たちの体や心は進化によって、ものすごくゆっくりと変わっていきます。
このためこのような急激な環境の変化についていけません。
私たちの体も心も、実は未だに狩猟採集生活にほとんど最適化されているのです。
時代と共に、戦争、飢餓、疫病は劇的に減って、人の寿命はどんどん延びました。
そして、生活も快適になりました。
しかし、狩猟採集時代から、農耕時代、工業化時代、情報化時代と環境が変化し続けるほど、体も心もそれについて行けないで、様々なストレスを感じるようになりました。
そのため人は快適なオフィス空間に居るよりも、公園で緑に囲まれている方がほっとしたり、心が癒やされるのでしょう。
*長谷川眞理子(自然人類学者)による。