今も昔も「ジェネギャ」は難しい!

Vol.8
シニア層が共感するマツコのコメント

 

先日某有名IT企業を訪問したところ、面談した人事の 20代後半くらいとおぼしき若い女性がぼやくんですよ。

 

「最近の若い人は、何を考えているのかまったくわかりません・・・」

 

心の中で「あなたと何歳違うのかなぁ」と思いながら、一応うなずいて聞いていました。ミドル層くらいが言うならわかるのですがねぇ。

 

「ジェネレーションギャップ」を若者は「ジェネギャ」と呼びますが、それ自体に私はジェネギャを感じます。(何でも略すな!(笑))

こんなの昔からあったのですよ。私が社会人になって数年後の新入社員は、「新人類」と言われていました。考えたらこれもすごいネーミングですよね。

 

私からは、「すぐにわからないのは仕方ないですね。でもわかろうとする努力は続けてくださいね。」とやんわりアドバイスしました。

「上からではなく自らの視線を下げてくれて話そうとしてくれる人には、自分のレベルに合わせてくれていることが感じられるので、話しやすくなりますから。」と続けると、「確かにそうなんですけどね・・・」と微妙に返事してくれました。

 

 

少し前になりますが、タレントのマツコ・デラックスさんが今の若者に対してコメントしている記事を目にしました。

若者たちの多くが、「出世や収入UPを狙うよりも、好きな趣味を楽しんで暮らしたいと考えている」という話についてです。

 

マツコは力説していました。

趣味にもお金かかるし、無理をせずに生きようと思ってもお金はかかるわけじゃない?死に物狂いな時期っていうのが、3年4年5年あるだけで、その後の人生ってすごい大きく変わってくると思うのよ。

 

LGBTなんて言葉が無かった時代にマツコが苦労したことって、壮絶なものだったろうと想像できます。そんな苦労をした人だからこそ、言葉に毒があっても他者に対する愛を感じられるのです。

私なんかは深く共感しますし、少なくともシニア層の多くは首肯されるのではないでしょうか。

 

ところが、私が人事の仕事をしていた頃、この考え方を大きく勘違いしているような何人かが、部下とパワハラ系トラブルを起こしていたことに思い当たりました。

 

どんな人でも一定年齢になれば、そこまでを振り返って頑張ったこと、辛さに耐えたことの一つや二つはあるでしょう。

でも、薄っぺらな経験を自慢げに話し、若い人にそれを「だからお前も頑張れ」と言っても、ジェネギャは絶対に埋まりませんよ。

 

 

心理学用語で「ラ・ポール」という言葉があります。

ラ・ポールとは、カウンセリングにおいてクライエントとカウンセラーの間に生まれる、リラックスした関係や信頼関係を表しています。

ビジネスの現場においても相互のリレーションづくりに重要で、特に若い人に対しては「ラ・ポール」の形成なしにマネジメントしても上手くいきません。

 

いつの時代の若者も、社会人になった最初は真っ白なキャンバスです。

迎合するのではなく、自分が若くて一生懸命だった頃を思い出し、まずは心開いて雑談から始めましょう。

話しているうちに、「こいつ、けっこういい奴だな・・・」と感じられるところが必ず出てきますから。

 

【最後までお読みいただき、ありがとうございました】

 

2021/10/20