6つの公式
第1公式では手足の「重さ」を感じ、第2公式では手足の「温かさ」を感じます。
各公式を行うときは、いつも同じ言葉を使うようにします(言語公式)。
たとえば、第1公式では、「右手が重たい」と心のなかで数回となえ、右手の「重さをただ感じる」ようにします(受動的集中)。
この2つが大きなポイントです。そして、第2公式から第6公式も同様に行います。
「背景公式」で気持ちが落ち着いてきたら、「第1公式」「第2公式」へと順に進みます。
6つの公式すべてをしなくても、この2つの公式だけで十分にリラックスは得られます。
1回につき、3分~5分程度が目安です。
背景公式
ゆったりした姿勢で深呼吸をして、気持ちを落ち着けていく。呼吸は負担にならない程度に、ゆっくり深く。
息をゆったり吐きながら、全身をリラックスさせます。
気持ちが落ち着いてきたら、軽く目を閉じて「気持ちが落ち着いている」と心の中で数回、唱えます。
十分に気持ちが落ち着いたら、第1公式に入りましょう。
第1公式(四肢の重感):手足が重たい
気持ちが落ち着いてきたら、第1公式です。
最初は「右手」(利き手)に意識を向けて、右手の重さをただ感じるようにしましょう。同時に、心のなかで「右手が重たい」と唱えます。次に「左手が~」「右足が~」「左足が~」と順番に行っていきます。「両手が重たい」「両足が重たい」とやってもかまいません。
手には重さがあります。肩や腕の余分な緊張が抜けて、からだの微妙な感覚を意識できるぐらいリラックスすると、自然と右手の重さを感じられます。
初めての人にはちょっと難しいかもしれません。何も感じないからといって焦らないでください。すぐにできる人もいれば、数週間かかる人もいます。自分のリラックス度の目安と思って、ただ感じられるようになるまで待ちましょう。
静かな湖面のように気持ちを落ち着けて、ただからだのなかの微細な変化を感じるようにしましょう。緊張したり、肩や腕の力が十分に抜けていないと重さは感じられません。
第1公式を数分やってみて感じられなくても、第2公式に移りましょう。方法は第1公式と同じですが、今度は「温かさ」を感じます。
第1公式よりも第2公式のほうが感じやすいという人もいます。最初はこの2つの公式だけにチャレンジし、できるようになれば、第3公式以降に進みます。
自律訓練法「6つの公式」
- 第1公式(四肢の重感):手足が重たい
- 第2公式(四肢の温感):手足が温かい
- 第3公式(心臓調整) :心臓が静かに打っている
- 第4公式(呼吸調整) :楽に呼吸している
- 第5公式(腹部温感) :お腹が温かい
- 第6公式(額涼感) :額が心地よく涼しい
手や足には重さがあるため、からだの余分な力が抜けていて、からだの微妙な感覚を意識できるようになると自然と重さを感じるようになる。
リラックスするほど手足の温度は上がっていく。また手足には温度があるため、十分にリラックスできると「温かさ」を自然に感じるようになる。
リラックス状態では、心臓は静かに打っている。それをただそのままに感じることで、さらに深くリラックスしていく。
リラックス状態では、楽に深い呼吸をしている。それをただそのままに感じることで、さらに深くリラックスしていく。
リラックス状態では、腹部が温まってくる。それをただそのままに感じることで、さらに深くリラックスしていく。
深くリラックスしていくと、手足や腹部が温まると同時に、額はさわやかな高原で涼しい風を受けているような感覚になっていく。こうした状態をそのままに感じることで、さらに深くリラックスしていく。
ポイント解説
3分~5分程度を目安に自律訓練法を行います。できなくても、 終わりましょう。
第1公式だけでも3分~5分。第6公式まで行う場合も、 同じぐらいの時間です。
できるようになると、すべての公式を同時に体感するようになります。
朝と昼、夜の1日3回ずつ続けていくのが理想ですが、あまり神経質になり過ぎないようにしましょう。
気楽に、自然に、ちょっとした合間にやってみましょう。
最後に消去動作を行って、気分をスッキリさせましょう。