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- パワハラリスクをセルフチェックする その1
VOL.6
今回は後半に、弊社で活躍するプロが相談対応や活動をする際に、考えていることや想いをUPしております。第1回目、ぜひご覧ください!
<パワハラリスクのチェックシート>
これまでは、パワハラの本質と構造を解き明かしてきました。
今回は、個人が潜在的に抱えているかもしれない
「パワハラリスク度」をチェックしましょう。
自分に「あてはまる」ものに✓を付けてください。
□ ①仕事に対して、「こうあるべきだ」と考える傾向がある
□ ②物事を白か黒かはっきりさせるほうである
□ ③プライドが高いほうである
□ ④他の人より実績を残したという自負がある
□ ⑤自分の思っていることや気持ちを表現しないで我慢することが多い
□ ⑥「失敗するな!」「なぜ、できないの?」という否定的な表現をよく使う
□ ⑦人の気持ちより、正しいかどうかの理屈のほうが大切だと思う
□ ⑧正当な理由があればパワハラ行為をしても仕方がないと思う
□ ⑨仕事は結果がすべてだと思う
□ ⑩睡眠に何らかの問題を抱えている
このチェックリストは、パワハラ再発防止プログラムのメニューの1つとして、
パワハラ行為者に内在するリスクを振り返り、
行動変容につなげることを目的に作成しました。
1つもチェックが入らなかった人は、パワハラをするリスクが低く、
チェックが多い人ほどパワハラをするリスクが高いと評価します。
まずは、自分の中にある問題を点検し、改善のための行動を起こすことが大切です。
これらの内容は、パワハラ行為をしてしまうリスクではありますが、
同時にその人の強みである場合もあります。
次回、詳しくご説明します。当てはまる項目が多い方も少ない方も、
考え方や行動について振り返る機会にしてみてはいかがでしょうか。
ここからは、ウェルリンクで活躍するプロ(カウンセラー・コンサルタント・研修講師)が、日々のさまざまな対応を通して考えていることや想いをお届けします。
<その1 武井 規之>
カウンセラー歴15年以上。企業や市役所、官公庁などに対し、継続的な関わりで組織のバックアップをしている。カウンセリング時は常に『安心感』を持ってもらえることを大事にし、クライアント(相談者)に合わせた、認知行動療法や解決志向等でアプローチすることを心がけている。職場環境改善、組織能力向上のため、管理職へのコンサルティング、研修などでも広く活躍中。
- 一人ひとりを尊重することが大切だと思います
社会でも組織でも誰もが当然のごとく、尊重されたいとみんなが思っているのではないでしょうか。尊重についての考え方や度合いはみなそれぞれ違うと思いますが、やはり個人が尊重される社会、組織が望まれます。
個人が組織内で尊重されていないと感じるときは、パワーハラスメントのケースとなったり、マウンティング合戦が起こったりしているように感じます。また、尊重は個々の心理的安全性の醸成だけでなく、パフォーマンスにも効果を発揮します。誰にどのような発言をしても罰せられない雰囲気があるほうが、個人の学びの機会も増え、組織としても業績が上がりやすくなるのです。
- 考えるヒント
組織内では、上下関係や役割があり、そこには指示命令や達成すべき目標があります。以下、架空のケースですが、パワーの使い方と尊重について、考えるヒントになればと思います。
ある会社での出来事です。真面目な上司と、専門知識が豊富な部下がぶつかることがありました。
はじめ、部下の方が相談に来られました。「パワハラ」という言葉こそ出ませんでしたが、上司に対して強い不満を抱いていました。上司は、組織をマネジメントし目標を忠実に達成したいと考えるタイプで、部下へのコントロールを強めていたようです。
続いて上司の方も相談に来られましたが、何か怖れを感じているようでした。話を聞いていくと、部下は専門知識が豊富なうえに、役員とも繋がりがあるとの事でした。上司は、部下に対してパワーを感じていたということです。
その後、上司は部下のことを理解するよりも事態の解決を求め、一方、部下は上司の態度を狭量な自己保身と解釈し、結局、折り合いがつかず、諦めとともに職場に戻りました。
上司・部下ともに、自分自身が大切に守りたい価値観が強すぎたために、相手を尊重することや、理解しようとすることが出来なかったケースです。
相手を受け入れるには、まず、自己認識力を高める(自分を俯瞰してよく理解する)必要があります。誰もがすぐできるとは限りませんが、学ぶ機会やツールがあると認識が高まることは確かだと思います。法制化も良い機会と捉え、ステップバイステップで進んで行けると良いですよね。
2022/4/1