衝撃の「45歳定年制」
前回、キャリアについて書いたところ、思ったよりも反響がありました。しかも若い人からも。
そんな折に目にしたのは、某有名企業トップからの「45歳定年制を敷いて会社に頼らない姿勢が必要だ」という提言です。
リクルートワークス研究所の調査によると、日本における「課長」職への昇進年令は平均で38.6歳だそうです。
努力の末に管理職になったばかりの方々は、「我が社はいずれ45歳を定年とする」と言われたら、多くがショックで膝から崩れ落ちるのではないでしょうか。
私だったらその晩は眠れないかなぁ・・・
ネットでは賛否両論ですが、私は大事な視点をインパクト強く伝えようとされたのではないかなと思っています。
その視点とは、人生100年時代の今、「会社に自分の生き方を変えられるのではなく、自分らしく働いて生きることを大切にする」という考え方です。
人事屋さんの読者はよくお解りですよね。
だって、今や60~65歳で無事に定年を迎えられる保証なんてどこにも無く、しかも手前の50歳代で役職定年などで報酬がダウンする会社がほとんどなんですよ。
後で「騙された」なんて言われたくない経営者が「若いうちから会社に頼らず、自分の人生を考えてキャリアを積んで!」って言うのは、ある意味もっともかなとも思いました。
すぐには心配しなくて大丈夫ですよ。
「定年」は一定年齢で体よく「首を切る制度」(コワッ)ですから、労働者に対して簡単に不利益変更できるわけはありませんから。
このトップが言いたいのは、「冷たい会社だと思わずに、45歳以降のキャリアを20~30代から意識してそれに備えて欲しい。」というメッセージなのではないでしょうか。
年齢による処遇ダウンがあったとしても、「そこでがっくりきてから新しいことにチャレンジするのでは、遅いんじゃないの」と考えられたのではないかと。
かくいう私も、定年前のキャリアチェンジに悩んだ一人です。
転職先の条件で迷っていたある日、高校時代の同窓会から帰ってきた妻からこんな話がありました。
「男の人ってたいへんね。年齢が55歳を超えると、仕事の内容はあまり変わらないのに年収がすご~く下がるんだって? 同級生の男の子が飲んでぼやきまくってたわよ~」
(ムムッ・・・男だけじゃないけどな)
「だからあなたも、その歳で転職して収入が下がるのは仕方ないよね。まぁ健康第一だから何とかなるでしょ!」と励まされて、背中を押してもらったような気持ちになりました。
涙が出るほど嬉しかったのは、恥ずかしいので内緒ですが・・・
人の転機(転職、退職など人生の節目)には「危機」が伴うものです。
そして「危機」には「危険」と「機会」が含まれています。
生きていく中では、幾度もの危険な機会を乗り越えていくことで、人は豊かに成熟していくものだと今は思っています。
40代からは、それまでビジネスマンとして頑張ってきたプライドを捨てないことが大事ですね。
45歳を過ぎたあたりから、制度としての定年を無視して、「○○歳を目標にこの会社を卒業する。そして新しい場所で新しい仕事をする」と⾃分で決めて準備を始めることは、決して悪いことではありません。
とすると「45歳をターニングポイントとする」ことは、それほど突拍子もない考えでもない気がするんですけどねぇ。
皆さんはどのように考えますか??
【最後までお読みいただき、ありがとうございました】
2021/10/06