新人は「みんなで」育てましょう!
もう師走の季節になりました。
ここに来て、若手社員のメンタル不調や早期離職に関する相談が急増しています。
コロナ禍が一段落してきても、年末に向けて人事さんのご苦労が続くと思います。
先日気になったことがありました。
入社2年目の若手社員数名と1on1のストレスケア面談を実施した時のことです。
「仕事上のことで、一番気になっていることは何ですか~?」と訊ねたところ、何と半数くらいの人が「上司や先輩へ、仕事の質問や相談がしづらい」と答えたのです。
特に気になったのは、ある一人との面談で「へぇ~、仕事の話ならそんなに気を遣わなくてもいいんじゃないの?」と言ったら、「上司や先輩がすごく忙しそうにしているのに、声を掛けたら迷惑になるんじゃないかと思ってしまいます」との返事。
ううむ、何と真面目なことよ・・・内心、そのまじめさに心配の気持ちが残りました。
皆さんの会社の若手社員はいかがですか?
以前にいた会社でも「人に迷惑を掛けたくない」と口にしていた新入社員は、とても多かったです。最初だけかと思ったら、そうでもないようです。
幼い時より親から大切に育てられて、失敗しないことを優先させてきたからでしょうか。いじめられないように、悪目立ちしたくないという意識からでしょうか。いろんなことをやってみようとチャレンジする若手は、本当に少なく感じます。
若い人にメンタル不調者が多い理由をあれこれ考えていたら、ふと頭に浮かびました。
年長者に迷惑を掛けることを気にしてしまい、「相談する」という行動が取れないことで悩み過ぎてしまう若者が多いのではないかと。
ものごとを「認知」して、「相談行動」というプラスサイドの対処行動をとれないことは、ストレスを大きくしてしまいます。
ただ、新入社員に対する育成は、当該の管理職や人事の担当者が担うものではありません。先輩社員や上司、ひいては会社の役員も含めて、「みんなで育てていく」ことがとても重要だと思っています。
若者から相談されるのを待っていないで、みんなから声を掛けてあげてください。
おせっかいだと遠慮せずに、たくさんかまってあげましょうよ。
しかし、こうも思うのです。
若い人達は肩に力を入れ過ぎることなく、年長者に対して「甘え上手」でいて欲しいなと・・・
私からしたら、考え方が少ししっかりし過ぎている人もいます。でも「天真爛漫さ」や「ゆるさ」は若者の特権だと思うのです。ゆるさを出せるように、あたたかく、こちらから、接することも必要だなと思います。
この歳になって、映画「フーテンの寅さん」の口上にあった「思い返せば恥ずかしきことの数々・・・」というのがふと頭に浮かびます。
思い返せば、仕事だけでなく、人は皆何年も生きてきたら「人に迷惑をかけた」ことや「恥ずかしい」と思うことが数々あります。
思い切り挑戦して、失敗できる。そのときは恥ずかしくても、良い思い出になるような職場づくりができればと思いますが、いかがでしょう。
【最後までお読みいただき、ありがとうございました】
2021/12/01