~自分で考えてほしい上司と、答えを知りたい部下~
ありがたいことに、人事時代もそうですが、カウンセラーに転身してからは、よりさまざまなバックボーンを持つ方とお話しする機会をいただきます。目の前の方がこれまで歩んできた人生に触れさせてもらえ、まるで一つの映画を観たような、そんな気持ちになることもあります。こんなに興味深い仕事は他にないなぁと、改めて感じる毎日です。
先日、部下の対応に悩むある上司からこんな相談を受けました。
「心澤さん聞いてくださいよ。うちの部下のことなんですけど、仕事を振るたびに、『これ何のためにやるんですか』『この作業本当に必要ですか』って毎回聞いてくるんです。もちろん必要だからお願いしてるし、業務を通して自ら考えてほしいこともあるんですけど。いちいち説明しないとダメなんですかね…。」
(う~ん確かに。説明するのは簡単だけど、本人の成長を促したいから、あえて言わずに考えさせたいことってあるよなぁ。)
上司の苦労がうかがえますが、実はこの上司と話す前に、部下の方からも相談を持ちかけられていました。どうやら部下には部下の言い分があったようです。
「心澤さん聞いてくださいよ。うちの上司なんですけど、仕事を指示してくるのは良いんですが、その際、全然説明してくれないんです。単に会社の方針だからとか、業務に必要な作業だからやれとか言われても、意味ないことをやるのは納得できないんですよね。モチベーションが上がらなくてしんどいです…。」
(まぁ確かに。自分の業務がどんなふうに役立っているのかわかった方が、貢献している感覚は得やすいしなぁ。)
上司はいわゆるバブル全盛期に社会人になった世代。
景気が良く、将来の展望も明るい時代です。組織に属していれば年功序列で給与も保障。帰属意識も強く、会社や上司の言うことは絶対。先輩からは叱咤激励されて厳しく育てられてきました。
一方の部下。お世辞にも景気が良いとは言えない時代。
ただ、物心ついた時にはすでにネット社会が浸透しており、デジタルツールも上手く使いこなせます。欲しい情報が簡単に手に入る反面、すぐに答えを求めてしまいがちかもしれません。
お互いに育った時代背景が違うのだから、考え方や価値観が異なるのは当然です。それぞれが自分の価値観を前提にコミュニケーションを取ってしまうと、ズレてしまうのも納得できますね。
ではどうしましょうか。仕方がないとため息をつきながらやっていくのも一つですが、それはしんどいですし、組織の発展も滞ってしまいそうです。ここは一つ、年長者の上司から歩み寄るのが得策のように思いますが、いかがでしょうか。知識も経験も浅い若手に、20年も30年も長く生きている人に合わせろという方が無茶な話ですから。
これは昔、ある先輩カウンセラーさんが仰っていた言葉です。
「若者がどんな価値観を持っているのか理解するために、世の中で流行っているものは積極的に取り入れるようにしているの」
この言葉を聞いて以来、私もなるべく流行っているものは体験してみるようにしています。
つい最近だと、遅ればせながらマリトッツォなるものを食べてみました。感想ですか?美味しかったですよ。でも、大福の方が好きかなぁ。
【最後までお読みいただきありがとうございました。】
2022/03/09