自分に優しくしてあげよう

Vol.21

~ちょっと疲れてきたあなたへ~

 

本格的な梅雨の時期に入ってきましたね。私は雨が好きです。

雨の音や匂い、空気、色。それらが日々の喧騒を和らげてくれるからか、心がスッと落ち着く感じがするんです。

 

雨で思い出しましたが、「日日是好日」という本をご存じでしょうか。

著者である森下典子さんが、25年習い続けているお茶のお稽古を通して、気づいたこと感じたことを綴っているエッセイ本です。茶道の面白さや奥深さを知れるのはもちろん、雨音やお茶を点てる音、静寂などが、森下さんの言葉を通して、まるで今自分が五感で味わっているような、そんな感覚にさせてくれます。

 

「雨の日は、雨を聴くこと」お茶が教えてくれた言葉だそうですが、忙しない日々の中、ふと立ち止まって今を感じることの大切さも伝わってきます。映画化もされており、今は亡き樹木希林さんがお茶の先生役で出演されていて、個人的には原作にピッタリだなぁと思いました。映画では、音や静寂がより印象的に描かれており、映画なのに目を閉じて耳で感じたくなる、そんな作品です。よかったら触れてみてください。

 

 

さて、新年度が始まり早2か月が経過しました。

慣れない環境の中、最初の1か月を何とか乗り切り、GWでちょっと一息つけた方も多いのではないでしょうか。普段よりもたくさん休んでリフレッシュもできたし、「よし、もう一度頑張ろう」と思っていた休み明け。最初の数日は良かったけれど、やっぱり体がだるい、疲れやすい、なかなか気持ちが上がらない、そんな状態が長引いている方いらっしゃいませんか。世間的にはこういうのを5月病と呼びますが、中には症状が改善せず、休職せざるを得なくなる方もいるので注意が必要です。

 

こういう時は、頑張ろうと思っても頑張れませんよね。むしろ、「自分はなんてダメなんだ」「自分にはこの仕事が向いてないかもしれない」というように、自分を責めてしまいがちです。その上、自分だけがつらいと感じ、その孤独感からますます苦しさが大きくなってしまうかもしれません。

 

人は苦しい状況が続くと、どうしてもネガティブ感情に囚われてしまって、そのループから抜け出すのが難しくなってしまいます。何かちょっとしたきっかけがあると抜け出せるのですが、悩んでいる最中の自分では思いつくことができません。

そこで編み出された方法の一つに、自分が苦しい時に「取るべき行動」や「自分にかける優しい言葉」を書いたメモを、事前に作っておくというやり方があります。

 

どんな行動を取ると良いか…?

「周りに相談する」「早く帰って美味しいご飯を食べる」「1日休みをもらう」「優先順位を決める」「早めに病院に行く」

 

自分に優しい言葉をかけてあげるとしたら…?

「大丈夫だよ」「ゆっくりでいいよ」「落ち着いてやろう」「間違ってもやり直せばいい」「頑張りすぎてない?」「無理しないで」

 

たとえ苦しい状況に陥っても、そのメモを見れば、「そうだった、1人で悩まずに相談しよう」と行動に移せたり、「焦らずゆっくりやればいいよね」と考えて心が少し軽くなったりするかもしれません。過去の自分が今の自分をサポートしてあげるわけですね。

スマホや手帳など日常的に使っているものにメモしておくのも良いですし、付箋に書いてPC画面の隅に貼っておくのもお勧めです。いつでも目に入りますし、苦しくなる前に気をつけてあげられますから。

 

少し疲れちゃったそこのあなた。既に十分頑張っていますよ。時には休むことも大事です。

大切な人に優しくするように、自分自身にも優しくしてあげてくださいね。

 

【最後までお読みいただきありがとうございました】

 

 

 

2022/6/15